Date&Time 2011年2月18日 PM7:00-8:00   Place エル・パーク仙台   参加者数 12名

 

 日本で働く外国人数は現在約48万人(厚生労働省:H2010月末現在)。

 製造業の現場では多くの外国人が重要なマンパワーになっており、看護・介護の分野でも海外からの人材受け入れが始まっています。また、アジアの高度人材を積極的に採用する企業も増えてきています。

 一方では、閉塞感でいっぱいのこの国を飛び出し、海外で働くという選択をする日本人もいます。

 Session 2では、"外国で働くということ"、について考えました。


 

GUEST: ソリナ (旅行会社勤務)

---------------------------------------------------------------------- 

中国、内モンゴル出身。留学生として来日。仙台の大学で学び、就職活動を経て在仙の企業に就職して1年目。母国を離れ、他国で暮らし働いていくことを選んだゲストに、“外国で働くということ”について、その思いや日々の体験を聞きました。

 

HOST: キクチ アキヨシ(Works×Talks Project)

--------------------------------------------------------------------------

東京都出身。団体職員。仙台市内の高校を卒業後、都内の大学に滑り込む。そこで学ぶ意義を見失い、バイトと部活とギターと読書に明け暮れる。社会人になっても働くということに迷い続けてきた。36歳。

 

 

 

日本人に混じり、留学生の参加者の姿もあったSession2
日本人に混じり、留学生の参加者の姿もあったSession2

「外国」としての日本で働く現実は?

 Session2のゲストは、中国人留学生として仙台で学び、現在は仙台の旅行会社で働いているソリナさん。

 

 雇用状況はますます厳しい状況にありますが、企業は外国人留学生を「高度人材」として積極的に採用する傾向が見られます。果たして日本は世界から人材を集める国として「開国」したのでしょうか?
 今回のSessionでは「外国で働くということ」をテーマに、ソリナさんから日本社会で働くことや外国人ならではのエピソードを聞きました。

 

 

 

 

中国出身、おもてなしの心を学び日本で働く

 仙台の語学学校で日本語を学び、大学に進学。その後、日本人学生と同じように就職活動を行い、現在の会社に就職した。現在、社会人1年目。旅行会社で、インバウンド(海外から来日する観光客)対応の仕事を担当している。会社の中で外国人は彼女一人。外国人観光客が増える中、彼女にかかる期待は大きい。

 

就職難は日本だけではない、とも。中国で就職できない大卒者が増えており社会問題になっているという。
就職難は日本だけではない、とも。中国で就職できない大卒者が増えており社会問題になっているという。

 「とにかく忙しくて、学生の頃が懐かしい」と流暢な日本語で話す姿は、日本人と言われても違和感がないほど。しかし働く現場では、外国人であることのハンデを感じると言う。

 

 留学生として日本で6年以上を過ごした。学んだことを日本の社会で試してみたいという思いで、就職活動を始めた。選んだ業界は、自分の強みを活かした国際分野。しかし、外国人採用枠を設けている企業は多くない。適性検査や常識問題が壁となり、筆記試験を突破するのも難しかった。面接試験にたどり着いても、尊敬語や丁寧語を使い分けてアピールするのは大変だった。数々の難関を突破して、なんとか就職先を勝ち取った。

 

 

 しかし本番はここからだった。職場で特別待遇はない。上司からは「日本人と同じ扱いが辛いんだったら、国へ帰った方がいい」と言われたこともあったという。しかし「それは励ましの言葉」で「平等に扱われていることをうれしく感じる」というソリナさん。増加するインバウンドへの対応を任され、フル回転でがんばっている。

 

 社会人になって嬉しかったことは、「海外から来たお客さんが、ツアーの最後に笑顔で手を振ってくれたこと。満足して帰ってくれたことが嬉しくて、自分の仕事が認められた気がした。」これはまさに、「おもてなし」の心があってこそ。日本の文化を、彼女がすでに体得していることに驚いた。

 

今回は参加者とゲストとの意見交換も多く、好評だった。
今回は参加者とゲストとの意見交換も多く、好評だった。

「鎖国」?「開国」? 扉は開き始めたばかり
 彼女のように、日本で働く外国人は、私たちの周りにたくさんいる。すでに「鎖国」は解かれていて、私たちは彼女たちとともに生きていく時代に入っている。だからといって「開国」と言うには程遠い。

 

 話を聞いて感じたのは、彼女たちが「外国人ならではの個性」を発揮し、活躍する社会になっていない、ということ。日本企業が留学生を評価するのは、日本の文化や慣習を高度に受容している、という点だ。海外市場を狙う企業は、日本独特のホスピタリティ精神や、精度を大事にする職人芸などを武器に勝負しようとしている。現地採用の外国人よりも留学生が人気なのは、そういった事情と関係がある。

 

 対象的に、海外で注目される日本人の多くは、日本人であるがゆえの「特異性」を活かして活躍している。それは、特異性をポジティブに受け入れる度量が、その国の社会にあることを示している。

 

 そう考えると、日本はまだ、扉が開き始めた段階だ。
 外国人が持っている異なる文化や慣習を私たちが受け入れ、それが働く現場にポジティブな変革をもたらす時こそ、本当の「開国」になる。それは外国人だけでなく、旧態依然とした組織文化や慣習の中で、閉塞感を感じてる私たちにとっても、好ましいことではないだろうか。

 

あなたにとって仕事とは、の問いに「人生」とソリナさん。「働くことは食べていくこと、暮らしていくこと、生きていくこと」。
あなたにとって仕事とは、の問いに「人生」とソリナさん。「働くことは食べていくこと、暮らしていくこと、生きていくこと」。

---------------------------------------- 

 

 今回の参加者には、留学生やキャリアカウンセラーなどもいて、セッション後は近くの居酒屋に場所を移して話は何時間も続きました。となりのテーブルで繰り広げられる一昔前のオヤジの宴会に私は辟易しましたが、留学生のBくんはこのトラディショナルジャパニーズスタイルが大変気に入ったようでした…。(H)

Facebook                  
Twitter