20人のメーリングリストから、400人の「つれづれ団」へ

つれづれ団の皆さん©2013 tsurezuredan
つれづれ団の皆さん©2013 tsurezuredan

ホリノ:次は、つれづれ団の話をしてもらえますか?

 

桃生:少し遅れて大学を卒業して自分も働き始めようという頃、周りの友だちはすでに働いていて、様子を聞くと「仕事がつらい」「就職してすぐ辞めた」「毎日家と職場の往復でつまらない」とか、そんな話ばかり。

 

一方で、私は地域の中に出ていくのがおもしろいと感じていて、休みの日は、いろいろなイベントに行って人に会って刺激を受けながら楽しく過ごしていた。こういうおもしろさを、自分だけのものにしておくのはもったいない。それで、イベント情報などを周りの友だちにメールしていたんですよ。

 

だけど、段々それが面倒くさくなってきて、メーリングリストを作って一斉に送ることにした。メンバーは20人くらい。自分の知り合いなので、仙台と盛岡の人たち。

 

それがつれづれ団の始まりです。ただの情報共有メーリングリスト。流す情報も月に5,6件とか。主に私から流していました。

 

そのうちに、これだけじゃおもしろくないなと。それで、「つれづれ団」という名前で、自分たちで企画もやってみようと、ということになった。「東北の日常をおもしろく」というテーマで、「東北」に関係しているという人が入団できる、というゆるい条件だけつけて。

すると、共感してくれる人が徐々に増えていって、5年経った今では400人ぐらいの集まりになりました。

 

メンバーは紹介制。メールなどで申し込んで即登録、という仕組みではありません。団員の誰かに直接会う必要があって、その人に紹介してもらって入る。

 

ホリノ:企画内容が面白いし、実施数がすごいですよね。(08年から13年までで50以上)。

 

桃生:初回は2008年の、「つれづれなるハンバーガー」。これは市販のハンバーガーをいっぱい集めてきて、食べ比べするという、くだらない企画です。

 

ホリノ:年々、外部と一緒にやる企画が増えていますね。

 

桃生:そうですね。初めは自己満足的な企画も多かったんですけど、「つれづれ団ってなんか面白いことやってくれそうだ」ということで、声をかけてもらえるようになりました。

 

つれづれ団による「BOOK布団」
つれづれ団による「BOOK布団」

例えば、2011年には、メディアテークから声をかけて頂いて、「としょかんメディアテークフェスティバル」に参加しました。読み聞かせとか、珍しい本の展示とか、そういう企画がある中で、つれづれ団の企画は「あ!っと驚く本の楽しみ方提案します」というもの。

 

おばあちゃん専門の「グランマガジン」という本を作るとか、田山花袋(たやまかたい)という作家の「布団」という作品があるんですが、本の形をした本当の布団「BOOK布団」を作ってしまって、実際に寝てみるとか。

 

ホリノ:タイトルだけだと中身がわからないものが多いですね。

 

桃生:「よくわからないけど、面白そう」というタイトルをつけていますね。

 

ホリノ:そして、そんな企画をやるたびに、団員が増えていくと。

 

桃生:そうですね。イベントをやるごとに新しい人が来てくれて、「私も入団したいです」ということで、メンバーが増える。

 

今は、「こういう場を欲している人が、地域にある程度いるのは間違いない」と感じています。団員が400人にまで増えた、というのはそういうことかなと。1歳から60代まで、いろんな世代の人が入ってきて、中には犬も入っていますが、団内でまた出会いがあって、そこから企画を始める人も出てきています。

 

←前のページへ l  1  l  2  l  3  l  4  l  5  l  6  l  7  l  8  l  次のページへ→

Facebook                  
Twitter