ジャンルレスから生まれる、新しいもの・面白いもの

桃生:400人という大きな広場があったとして、「この企画やりたい人!」と声かけて、数人が集まってくる。で、その企画には期日が決まっている、イベントの開催日とか。で、それが終わったら、その集まりは解散。ずーと、それに関わっていなければいけないわけじゃない。そして、毎回違う人たちが集まって考える。

 

「としょかんメディアテーク」の時も、本の好きな人、本の仕事をしている人、ライターとかが多かったけど、全然関係ない職種の人も参加しました。

 

つれづれ団のテーマを「おもしろい」だけにしているのは、分野やジャンルに偏らない集まりにしたいからです。多様な人たちが集まって、アイディアを組み合わせることによって新しいものが生まれる。それがおもしろいから。

 

さらに理想を言えば、そこから新しい仕事が生まれてくるといいなと思っています。まあ、いきなり仕事にならなくても、企画をやることでお金が入ってくるとか、何かの仕事につながっていくとか。そういう場になっていくといいな、と。

 

キクチ:団員のやりたい気持ちを大事にしているというところもありますか。

 

桃生:そうですね。手を挙げた人たちでやっていきましょう、というのが大事ですね。本当は、メンバーが勝手に、つれづれ団という名前を使って、好きな企画をやってくれればいい。私がリードするんじゃなくて、勝手にやってくれるのが理想です。でも、企画を立ち上げる人は意外と少ないですけどね。

 

あえて高くした、「つれづれ団」入団のハードル

参加者B:つれづれ団は、どうしてメンバーに出会わないと入れないのか。

それと、東北にこだわるのはなぜなのか。桃生さん自身が、地元にこだわる理由ってなんですか。

 

桃生:まず、出会わないと入れないって話ですが。メール一本で入りたいって言われても、こっちはどんな人かわからないですよね。メール一本送るのも勇気はいるかもしれないですけど、さらにもう一歩踏み出してほしい。そこで止まっちゃう人は、そこまでというか。これは、つれづれ団のゆるさと矛盾しているんですけど。

 

まずは、団員の誰かと会って話をしてもらう。団長である私じゃなくていい。今は、私が直接知らない団員も半分ぐらいいます。でも、団員同士はなにかしらのつながりを持っている。

 

本当に入りたい人は頑張るんですよ。

ネットでつれづれ団が以前にやったイベントを調べて、会場になったことがあるお店に行く。そして、店員さんに勇気を出して「つれづれ団の方ですか」と声をかける。そういう人って、本気で入りたいんだとわかるじゃないですか。まあ、ちょっと頑張れば入れるわけです。

 

キクチ:そういう仕組みがあやしいところもおもしろいですよね。

 

桃生:なんかナゾな感じが大事かもしれないです。わかりやすいのも大事だけど。

 

ホリノ:入団のためにメンバーを探すところから、何かイベントっぽいしね。

 

桃生:自分が知らないところで、そういう団員探しが行われているっていうのが、またおもしろいんですよ。で、時々「今日、秋田で入団希望がありました」とか、メール報告が来たりする。

 

東北にこだわっているのは、やっぱり愛着があるからです。あとは天邪鬼だから、みんなが東京の方を向いているなら、自分は違う方向を向く。東京じゃなくても、出来ることっていろいろあるんですよ。

 

キクチ:東京だと、逆に大きすぎて、こういうのは難しいかもしれないですね。

 

桃生:東京は、ひとつのジャンルでも分母が大きいですよね。「演劇やっている人」でも、東京だとたくさんいて、そのジャンルだけでグループが作れて、そこで完結しちゃう。仙台も東北の中では大きい街けど、この規模だとジャンルを超えた出会いがあって、違う価値観と触れあうことが出来る。1つのジャンルの中で固まるのは居心地がいいかもしれなけど、新たなものが生まれにくいですね。

 

400人もいると、ちょっと変な人が入ってきちゃうこともあります。異性との出会いをひたすら求めて入ってきちゃう人とか。団員が増えていくと、そういう人も出てくるので、そこをどうしていくかは課題ですね。そういうリスクが多少あるのも仕方がないとは思うんですが。

 

ホリノ:そういう変な人も排除しないで活かしていければ素敵ですけどね。

 

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