シリアスとユーモアで、地域をよくしていく

参加者C:オンとオフの垣根がないと言っても、市民活動サポートセンターの仕事と、つれづれ団でやっていることは、違いがあると思うのですが。

 

桃生:市民活動サポートセンターの仕事は、地域の中の課題に対する仕事です。地域の中には、いろいろな課題がある。そこを地域ぐるみで解決していきましょう、そういう活動を応援しますし、いっしょにやりましょうという仕事です。一方、つれづれ団はふざけながら、「とにかく地域でおもしろいことをしてまちを楽しくしましょう」という活動。

 

これ、どちらも「地域をよくしていく」ということでは同じだと思うんですよ。いろんな方法がある。シリアスな問題に対してシリアスに取り組んでいく、という方法もあるし、おもしろい方法で取り組むことも出来る。つれづれ団では「おもしろい」を大事にしています。

 

私の中では、1つの額縁の中で、両方の色が混ざっているという感覚です。それぞれの仕事で大事にしていることはあるんだけど、共通しているところは大きいと思っています。

 

ホリノ:僕が興味があるのは、桃生さんが今後、シリアスな問題の解決に、つれづれ団の手法や仕組みをどう取り入れていくのか、ということです。400人もの多様な人が集まって、自主的に手を挙げて楽しく企画を作っていく。この方法が、地域の課題解決の方法にも生かされていくとおもしろい。それを見てみたいなと思います。

 

桃生:現場で起こっているシリアスな問題にユーモアで取り組んでいくのは、まだ正直難しいし手探り状態ですけど、シリアスとユーモア、どちらも地域の課題解決に必要だと感じています。

 

特に人を巻き込むには、「楽しい・おもしろい」が、とても大事だと思います。例えばある男の子が、「彼女がやっているから」という不純な動機でボランティアを始めたのに、彼女が抜けた後も自分だけ続けて、そのうち団体の事務局長になっちゃった、という話もあります。入口からシリアスである必要はない。まずは社会との接点を、楽しい方法で増やしていければいいなと思いますね。

 

多様な価値観ときちんと向き合う

参加者D:ユーモアを身に付けるのって、どうすればいいんでしょう?

 

桃生:うーん、難しい質問ですね。まあ、ユーモアって言っても、私はそんなにおもしろい人間じゃないんですけどね。

 

いつも「生まれたこと自体が冗談だ」と思うようにしているんです。「人なんて、たまたま生まれちゃっただけ。人生、ギャグだ」って。だから、嫌なことがあっても、あまりクヨクヨ考えない。そういう考え方です。

 

ホリノ:桃生さんって、人のこともすぐ茶化したりするよね。

 

桃生:人の懐に入っていくのは得意なんですよ。昔は苦手だったんですけど。

 

職業柄、いろんな価値観の人と会うことが多いので、人と話すのは比較的、得意になりました。固定観念に囚われないで、人と接するようにしています。

 

特に、苦手だと感じる人とは、よく話をするように心がけていますね。苦手だからといってコミュニケーションをシャットダウンしてしまうと、居心地のいい人たちばかりで固まってしまう。苦手な人や意見の合わない人ともきちんと向き合っていくのは、大切だと思います。そんな時、ユーモアが大事なんじゃないでしょうか。

 

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